オーストラリア駐日大使
米抜き6カ国 “安保連合”提唱
【けさ知っておきたいNEWS】
グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
先週火曜日、オーストラリアの新しい駐日大使にアンドリュー・シーラー氏が就任しました。
シーラー氏は就任前、日本経済新聞のインタビューで、日本とオーストラリアの安全保障面での関係をさらに強化していく考えを示しました。
さらに注目されているのが、日本、オーストラリア、韓国、インド、ベトナム、フィリピンの6カ国による新たな安全保障の枠組みを築く構想です。
中国の海洋進出が強まる中、インド太平洋地域で関係国がどう連携するのかが大きな焦点になっています。
安全保障の専門家が駐日大使に
アンドリュー・シーラー氏は、外交政策や国家安全保障の分野で35年以上のキャリアを持つ専門家です。
オーストラリアのハワード元首相やアボット元首相に、国家安全保障顧問などとして仕えてきました。
また、キャリアを通じて日本とも深く関わってきた人物です。
シーラー大使と長年親交があり、安全保障に詳しい専門家によると、シーラー氏は人柄としても非常に信頼できる人物だといいます。
さらに、オーストラリア国内でも日本やアメリカの安全保障に最も詳しい人物の一人とされています。
今回の駐日大使就任は、オーストラリアが日本との安全保障協力を本格的に強化したいというメッセージだと受け止められています。
6カ国連携の背景にある中国の海洋進出
なぜ日本、オーストラリア、韓国、インド、ベトナム、フィリピンの6カ国なのでしょうか。
その背景には、中国の海洋進出があります。
中国は近年、東シナ海や南シナ海、さらに太平洋方面への進出を強めています。
地図で見ると、この6カ国は中国の海洋進出を取り囲むような位置にあります。
インド太平洋地域で結束し、中国に対抗する狙いがあるとみられます。
日本、インド、オーストラリアは、アメリカを加えた「クアッド」の一員として、すでに海洋安全保障などの分野で協力しています。
そのため、もともと連携しやすい関係にあります。
韓国・フィリピン・ベトナムとの連携
韓国とフィリピンは、アメリカと同盟関係にあります。
安全保障面でアメリカを軸とした連携の土台があるため、日本やオーストラリアとも協力しやすい国です。
また、フィリピンとベトナムは、南シナ海で中国と領有権を争っています。
特にベトナムについては、オーストラリアがこれまで合同訓練などを行い、防衛協力を強化してきました。
つまり、この6カ国はそれぞれ立場や関係性は異なるものの、中国の海洋進出に対する警戒感を共有しやすい国々です。
専門家は、この枠組みについて、中国の海洋進出を食い止める「防波堤」のような意味を持つと指摘しています。
なぜアメリカは入っていないのか
今回の構想で気になるのが、アメリカが含まれていない点です。
ただし、これはアメリカを排除するという意味ではないとみられています。
トランプ大統領は以前から、日本やNATOなどの同盟国に対して、アメリカの軍事力にただ乗りしていると批判してきました。
こうした考え方は、政権内でも徐々に強まっているとされています。
これに対してシーラー氏は、日本やオーストラリアなどが協力を強化し、その姿勢をアメリカに示すことが重要だと考えているようです。
つまり、アメリカ抜きで対抗するのではなく、アメリカの負担を軽くしながら、同盟関係を補完する枠組みとみられています。
日本にとっても重要な構想
専門家によると、この6カ国連携は「自分たちでこの地域を守る」という姿勢を示すことで、アメリカに対して負担軽減のメッセージを送る意味もあるといいます。
さらに、この考え方はオーストラリア国内でも主流になりつつあります。
日本にとっても、オーストラリア、インド、韓国、フィリピン、ベトナムはいずれも関係を深めたい国々です。
そのため、日本政府としても前向きに受け止める可能性が高いとみられます。
インド太平洋地域では、中国の動きにどう向き合うかが大きな課題です。
単独の国だけで対応するのではなく、価値観や安全保障上の利益を共有する国々が連携する重要性が増しています。
きょうのNEWS解説まとめ
オーストラリアの新しい駐日大使に就任したアンドリュー・シーラー氏は、安全保障分野で長い経験を持ち、日本やアメリカにも詳しい専門家です。
その人物が日本との関係強化を打ち出したことは、オーストラリアが日本を重要な安全保障パートナーと見ている表れです。
シーラー氏が提唱する6カ国の枠組みは、中国の海洋進出を意識したものとみられます。
日本、オーストラリア、韓国、インド、ベトナム、フィリピンが連携すれば、インド太平洋地域で大きな抑止力となる可能性があります。
アメリカを外すのではなく、アメリカの負担を軽減し、同盟関係を補完する新たな連携。
今後、日本がこの構想にどう関わっていくのかが注目されます。
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