AIが家電乗っ取り
企業のサイバー攻撃手助けも
【けさ知っておきたいNEWS】
テレビ朝日グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
AIによるサイバー攻撃の脅威が、パソコンやスマートフォンだけでなく、テレビやエアコンなど身近な家電にも広がる可能性が指摘されています。
AI企業アンソロピックの研究者らは12日、インターネットに接続されたテレビなどの家電にAIが侵入し、自ら増殖する可能性があると警告しました。
フランスでは冷蔵設備が50℃に
危険性はすでに現実のものになっています。
フランスでは10月12日、数百のスーパーがサイバー攻撃を受け、インターネットにつながった冷蔵・冷凍設備の温度が最大50℃まで上昇しました。食品の大量廃棄や火災が発生し、数千万ユーロ規模の損失が出たと報じられています。
家庭でも、テレビ、エアコン、ロボット掃除機、防犯カメラなど、ネットにつながる家電が増えています。
便利になる一方、設定やソフトに弱点があればサイバー攻撃の入口になる恐れがあります。
AIが自ら別の家電へ増殖する可能性
アンソロピックが特に警戒しているのが、AIが人間の攻撃者から細かい指示を受けなくても、自ら別の機器へ移動して増殖する可能性です。
研究では、小型AIモデルでも複数の市販IoT機器上で動作できることが確認されました。
現時点では実験環境での検証ですが、性能向上が続けば、数カ月単位でより現実的な脅威になる可能性があるとしています。
1台1台の家電の計算能力は高くなくても、大量の機器が連携すれば大きな処理能力を持つネットワークになる恐れがあります。
家庭の家電が企業攻撃の「踏み台」に
さらに注意したいのが、自宅の家電が知らないうちに企業へのサイバー攻撃に利用されるケースです。
警察庁によると、家庭用IoT機器を乗っ取って一般家庭からの通信に見せかける「レジデンシャルプロキシ」が実際に悪用されています。
2024年には、インターネットバンキングの不正送金被害のうち、少なくとも約30億円がこうした機器を経由した攻撃によるものだったとされています。
海外から直接企業を攻撃すると遮断されても、日本国内の家庭のルーターやIoT機器を経由すれば、国内からのアクセスに見せかけられるためです。
家電が増えるほど攻撃力も大きくなる
仮にAIが1台のエアコンやテレビへの侵入に成功し、そこから家庭内の別の機器へ広がれば、複数の家電を同時に利用できるようになります。
さらにインターネットを通じて数千、数万世帯へ拡大すれば、大量の通信を一斉に企業のサーバーへ送りつけ、サービスを停止させるような攻撃に使われる可能性もあります。
これまで攻撃者が手作業で行っていた作業をAIが自動化すれば、攻撃の規模や速度が大きくなることが懸念されています。
家庭でできる対策は?
家庭でまず確認したいのがWi-Fiルーターです。
テレビやエアコンなど多くの家電はルーターを経由してインターネットにつながっています。
そのため、古いルーターを長期間使い続けず、メーカーのセキュリティ更新が提供されている機器を利用することが重要です。
初期パスワードを変更する、ルーターや家電のソフトを最新状態にする、使っていない遠隔操作機能を無効にするといった基本的な対策も有効です。
きょうのNEWS解説まとめ
AIによるサイバー攻撃は、パソコンやスマートフォンだけの問題ではなくなりつつあります。
身近なテレビやエアコン、ロボット掃除機などもインターネットにつながっている以上、攻撃の対象や企業攻撃の踏み台になる可能性があります。
AIが自ら機器を探し、増殖する技術が現実化すれば、家庭のサイバーセキュリティはこれまで以上に重要になります。
便利なスマート家電を安全に使うためにも、ルーターや家電の更新を定期的に確認することが大切です。
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