“戦後最長”
イタリアのメローニ首相 人気のワケ
【けさ知っておきたいNEWS】
テレビ朝日グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
イタリアのメローニ首相が、9月4日に連続在職日数1413日、およそ3年10カ月となり、戦後最長政権の記録を更新しました。
これまでの記録は、第2次ベルルスコーニ政権が持っていたものです。
イタリアでは戦後、政権交代が非常に多く、今回のメローニ政権は戦後68番目の政権にあたります。
これまでの政権は1年から2年ほどで交代することも珍しくなく、その中で3年10カ月続いたことは、イタリア政治では大きな意味を持ちます。
メローニ首相はどんな人物なのか
メローニ首相は1977年生まれの49歳で、ローマ出身です。
イタリアの戦後の首相としては、唯一 大学への進学経験がない人物とされています。
自伝などによると、幼少期にはろうそくで遊んでいたことが原因で家が火事になり、一時的に家族が住む場所を失うなど、厳しい経験もしてきました。
15歳の時には、ムッソリーニの流れをくむ極右政党「イタリア社会運動」の青年組織に加入しました。
その後、政治活動を続けながら、ベビーシッターやバーテンダーなどの仕事で生計を立てていたといいます。
2012年には「イタリアの同胞」という政党を立ち上げました。
この政党はイタリア社会運動の流れをくむため、当初は極右政党として警戒されることもありました。
首相就任後は現実路線へ
メローニ氏が2022年に首相へ就任した時、国内外では大きな懸念がありました。
イタリアが右傾化し、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐってEUの結束が揺らぐのではないかと見られていたためです。
しかし、実際には就任後のメローニ首相は、他国よりも積極的にウクライナ支援を行い、EUとも緊密な関係を保ってきました。
過激な主張を前面に出すのではなく、現実的な政治運営を選んだのです。
イタリア政治に詳しい専門家によると、メローニ氏は野党時代には注目を集めるために過激な発言をしていましたが、首相就任後は現実路線を取るようになったといいます。
その結果、国民からも「きちんと仕事をするリーダー」として評価されるようになりました。
トランプ大統領とも距離感を調整
メローニ首相は、当初アメリカのトランプ大統領と良好な関係を築いていました。
ヨーロッパの中で、アメリカとEUの橋渡し役になることも期待されていたとみられます。
しかし、2月にアメリカがイランへの攻撃を行って以降、メローニ首相はトランプ大統領と一定の距離を取るようになりました。
さらに4月には、トランプ大統領がローマ教皇を批判した際、「それは容認できない」として教皇を擁護しました。
イタリアではローマ教皇への敬意が強く、国民感情に大きく関わる問題です。
専門家は、メローニ首相が国内世論を考え、トランプ氏と対立する場面では対立するという、バランスを取った外交をしていると見ています。
長期政権を支える柔軟さ
メローニ首相の人気の理由は、単に保守的な主張をしているからではありません。
野党時代の強い発信力に加え、首相になってからは現実的な判断を重ねてきたことが、政権の安定につながっています。
ウクライナ支援ではEUと足並みをそろえ、アメリカとは近すぎず遠すぎない距離を保つ。
国内では国民感情を読みながら、必要に応じて姿勢を変える。こうした柔軟な対応が、短命政権が続いてきたイタリアで長期政権を実現させた大きな要因といえます。
きょうのNEWS解説まとめ
メローニ首相は、戦後のイタリアで最長となる政権記録を更新しました。
極右政党の流れをくむ政治家として警戒されながらも、首相就任後は現実路線を取り、ウクライナ支援やEUとの協調を重視してきました。
一方で、トランプ大統領との関係では、協力する部分と距離を置く部分を使い分けています。
国内世論を意識しながら、外交でもバランスを取っている点が特徴です。
ヨーロッパでは右派勢力の台頭などで政治が不安定になる国も多い中、イタリアは比較的安定した国の一つとして見られています。
ただし、来年の総選挙や移民問題をめぐって、EUと対立する可能性もあります。
メローニ首相が今後も安定した政権運営を続けられるのか、注目が集まります。
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