葛根湯は風邪以外にも?
科学的にみた東洋医学 “漢方薬”
【GOOD!いちおし】
テレビ朝日グッド!モーニング「Good!いちおし」のコーナーで紹介された内容をご紹介しています。
科学的にみた東洋医学 “漢方薬”
| 科学的に解明! 東洋医学第2弾です。 →第1弾は「ツボ・鍼灸でなぜ楽になる? 科学的にみた東洋医学のメカニズム」」 葛根湯には風邪の引き始めだけでなく、意外な効能も。 そんな漢方薬について、最新科学で解明されつつあります。 その最前線を取材しました。 |
漢方薬はなぜ効く?
最新研究でわかってきたこと
今回の「GOOD!イチオシ」では、前回9月2日放送の「ツボ・鍼灸でなぜ楽になる? 科学的にみた東洋医学のメカニズム」」に続き、東洋医学を代表する治療法の一つ「漢方薬」が特集されました。
解説したのは、前回に続いて島根大学医学部附属病院の大野智教授です。
東洋医学は一説には約3000年前から発展してきたとされ、漢方薬も「この草を食べたら腹痛が治った」「下痢が止まった」といった長年の経験の積み重ねから生まれました。
漢方薬は、植物や動物、鉱物などから作られる「生薬」を組み合わせたものです。
近年、その経験的な効果の一部が西洋医学の研究によって説明されるようになってきました。
漢方の成分が西洋薬にも使われている
例えば、風邪をひいたときに使われる漢方薬に含まれる生薬「麻黄湯」には、エフェドリンという成分があります。
現在、この成分は気管支を拡張し咳を鎮め、気管支ぜんそく・気管支炎などの治療にも用いられています。
また、熊の胆のうを使う生薬「熊胆(ゆうたん)」から抽出される主成分ウルソデオキシコール酸が肝機能改善薬として知られています。昔から経験的に使われてきたものを詳しく調べた結果、現代医学でも利用される成分が見つかっているのです。
葛根湯は肩こりにも使われる
身近な漢方薬として有名なのが葛根湯です。
風邪の引き始めに飲むイメージがありますが、番組では肩こりにも用いられることが紹介されました。
風邪の初期に感じる首筋や背中の寒気と、肩こりには、血流の状態が関係すると考えられています。
葛根湯には体を温め、血の巡りを良くする方向に働く特長があり、異なる症状に同じ漢方薬が使われることがあります。
西洋薬では症状と薬が一対一で対応するケースが多いのに対し、漢方では同じ症状でも人によって違う薬を使ったり、異なる症状に同じ薬を使ったりするのが特長です。
日本では、厚生労働省(2025年時点)が一般用漢方製剤の漢方薬294処方を承認しています。
医療保険が適用(医療用漢方製剤)されるのは148処方とされています。
一方、西洋薬は1万~1万5000種類ほどあるとされます。
ただ、漢方薬には一つの生薬の中にも非常に多くの成分が含まれています。
複数の効能がある漢方薬は、他にも「黄連湯」は急性胃炎や二日酔いの際によく服用されますが、実は口内炎にも効き目があると言われています。
便秘にも下痢にも使われる
不思議な漢方
続いて、「大建中湯」も紹介されました。
西洋医学では便秘には下剤、下痢には整腸剤というように逆の薬を使うイメージがあります。
ところが「大建中湯」は不思議ですが、下痢の人が飲むと下痢が収まり、便秘の人が飲むと便秘が良くなるというような不思議な漢方薬です。
漢方薬の中にはいろんな物質が含まれているので、患者の状態によって腸の働きを整える方向に作用すると考えられています。
こうした漢方薬の働きを解明する鍵として注目されているのが「腸内細菌」です。
名古屋大学大学院の横山医師らの研究で、黄疸の治療に使われる漢方薬「茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)」は、腸内細菌の違いによって薬の効き方が変わることが分かり、今後より効果的な使い方につながる可能性が示されています。
一方、漢方薬にも副作用があります。特に「甘草(かんぞう)」を含む漢方薬を複数併用すると、甘草を過剰に摂取し、「偽アルドステロン症」などの副作用を起こすリスクがあります。
そのため、複数の漢方薬を服用する場合は、医師や薬剤師に相談することが大切です。
厚生労働省も、西洋医学と東洋医学を上手に組み合わせる「統合医療」を進めており、治療効果だけでなく、患者の療養生活の質を高めることも目指しています。
| *「厚生労働所eJIM」東洋医学や民間療法などの科学的根拠を発信する公的情報サイト |
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