松本郊外のカフェ「カメノヤ別館」で、大正ロマンあふれる空間とレトロな喫茶メニューを楽しむ | ことりっぷ
松本市北東部の四賀地区は、松本や安曇野の中心部から車で30分ほどのエリアで、穏やかな里山の景色が広がっています。この地区で、かつて本陣として使われていた建物の別館を利用したカフェが「カメノヤ別館」です。こちらではステンドグラスなどが美しい大正ロマン風の建物と、その雰囲気にぴったりのメニューが楽しめます。自然に囲まれたロケーションにもほっとする郊外のカフェ。日常を離れてリラックスしたい日に訪れたいお店です。
「カメノヤ別館」がある松本市の四賀(しが)地区は、四方を山に囲まれた自然が豊かな地域。かつて3つの宿場が置かれ、善光寺街道や松本城の藩主が参勤交代で使った江戸街道などが通る、交通の要衝として栄えました。藩主が参勤交代の際に休息を取った本陣は焼失したものの、大正時代に再建され、現在はリノベーションを経て宿泊施設「Satoyama villa 本陣」として営業しています。
「Satoyama villa 本陣」に隣接する別館は昭和初期の建物で、外観は和風ですが中は洋風。レトロな趣の空間を利用して、2021年に純喫茶「カメノヤ別館」としてオープンしました。
のれんがかかった門をくぐり、季節の草花が彩るエントランスを抜けて別館へ。玄関で靴を脱いで店内へ入ります。改修はせず、元々の内装やたたずまいをそのままに生かした店内は、ステンドグラスやレトロな造りの建具、赤いベルベットのイスなど、大正から昭和の懐かしい風情で満たされています。
店内にさりげなく置かれた調度品も店の雰囲気になじんだものばかり。時計や花瓶、レコードプレイヤーなどが静かにたたずんでいます。照明は控えめで、窓から差し込む自然光によって店内の明るさが変わるので、季節や天気、時間帯によって違った表情を見せてくれます。窓からの眺めは日本庭園と豊かに茂る緑の木々。どこからか聞こえてくる鳥のさえずりや、庭にやってくる猫たちの姿にも心が和みます。
「カメノヤ別館」は松本市中心部にある「珈琲茶房かめのや」の系列店で、「かめのや」と同様に自家焙煎のコーヒーが充実しています。別館オリジナルのブレンドをはじめ10種類以上がそろっているので、迷ったら好みの味を伝えて選んでもらうのもいいですね。
コロンと丸くて大ぶりのブランデーグラスに入ったフロートも人気メニュー。同じグラスを使ったゼリーポンチはゼリーの彩りと透明感がさわやかなドリンクです。
レトロなお店の雰囲気にあわせてメニューも考えられているそうで、ガラスの器に盛りつけられたプリン・ア・ラ・モードは、別館だけのメニューです。四賀地区の卵を使った、ちょっと固めのプリンと季節のフルーツの盛り合わせにホイップクリームを飾って。ノスタルジックなビジュアルとおいしさ、ボリュームにも満たされます。
ランチや軽食にうれしいスパゲティは、ナポリタンとミートソースの2種類。ほぼケチャップのみでシンプルに味付けしたナポリタンは、シャキシャキ感を残したピーマンがアクセントに。できるだけ地元の野菜を使用し、季節によっては有機栽培の野菜を使うこともあるそうです。
シンプルなバターをはじめ、ジャムや小倉などの甘いものから、チーズやピザなどのしょっぱいものまでトーストのバリエーションも豊富。コーヒーのおともにつまみたくなってしまいそうです。
タイムスリップしたような気分に浸ってみたい、大正ロマンテイストのカフェ。自然が豊かなロケーションやレトロかわいいメニューにも満たされて、心穏やかな時間を満喫してくださいね。